EMCとはどんな規制、どこで規制を定めているか!

EMCとは、どんな規制であって、どこで決めて、どのように運用しているかのをご紹介させていただきます。

EMC

目次

EMCとは

EMCとは簡単に説明をすれば同一環境内にある機器、システムが互いにノイズ障害を与えたり、逆にそれを受けたりすることなく、電子機器の本来の機能を十分に発揮しているときの状態を意味する。

  1. 許容できないノイズを発生させない。
  2. ノイズに対して誤動作しない。を両立した機器を製作するための規制です。

このEMCを実現するためには、周囲にノイズ障害を与えないように、発生ノイズの対策、エミッション(EMI)、および自分自身ノイズを受けて誤動作したりしないようにノイズ耐性、イミュニティ(EMS)、を向上させることが必要となる。

《※EMCとは電波を利用する機器、利用しない機器も機器に影響を与えない、電波の影響を受けないことを目的とした規制》

電子機器や自動車などが発する電磁波が、ほかの電子機器の本来の動作を妨害したり、誤作動させたりする現象を排除する規制です。

EMC,JIS規格(日本工業規格)では電磁両立性ともいう

【実例】

実例で,航空機客室のパーソナル・コンピュータやDVDプレーヤが航法用電子機器を誤作動させた例があり、また携帯電話が植込型心臓(ペースメーカー)などの医療機器に影響する可能性も指摘される。これらを防ぐために、機器からの妨害電磁波の発生 EMI: Electromagnetic Interferenceを規制すること、および妨害電磁波を受けても誤作動しない耐性 EMS: Electromagnetic Susceptibilityを電子機器に付与することが重要となる。(EMIの規格をエミッション規格,EMSの規格をイミュニティ規格)といい、これらを合わせて電磁環境両立性EMCが成立している。

国際的には、国際電気標準会議IECの特別委員会である国際無線障害特別委員会(CIPR)が、不要電磁波の測定方法や EMI・EMSに関する各種規格(規制)を決めている。

日本では、総務省 情報通信審議会に属する電波利用環境委員会でCIPSRの規格を議論しており、法令や業界の自主規制などに反映されている。(日本では業界が自主規制の形で対策を行っているが、米国では法的に厳しく規制されている。また、欧州では規制に適合しない機器の輸入・販売はできない規制がある。)

EMC規格と規制

EMC国際規制:

EMCを維持するために国際及び国内組織により規制が行われている。国際的にはIEC(国際電気標準会議)のTC77専門委員会で基本的及び共通的な規格を制定している。IECが支援している。国際放送連合、電気事業国際関連機関等が集まり1950年に組織化された国際無線障害特別委員会(CISPR)は妨害波発生の許容値や測定法等具体的な機器の規格や規制を国際的に取り決める組織である。CISPRには運営委員会WG1(共通エミッション規格)の他にSC-A~SC-Gの6つの小委員会があり、それぞれの分野での許容値、測定法などを国際的に審議をおこなっている。

国際無線障害特別委員会(CISPR)の概要

SC-S:運常委員会

SC-A:無線訪害波測定及び続計手法(測定法) 幹事国:米国

  • Working Groups
    • WG1:CISPR16 1-1~4 (EMC装置の仕様)
    • WG2:CASPR16-2-1~4 (EMC測定法、統計的手法及び不確かさ)
  • Jant Working Groupa
  • JWG FAR Joint Task Force CISPRASC77B on Fully anechoic roorre (FARS)
  • JWG FFT. Joint Task Force between CISPRID and CISPRIA – FFT-based emission measurement apparatus – Specification and application
  • JWG JTFAF Jaint task force between CISPRIA AND CISPRIE CDN measurement method of radio frequency disturbances for lighting equipment in the frequency range 30 MHz to 300 MHz
  • JWG JTFAM Joint CISPRIA and CISPRA Task Forces
  • JWG UMA Joint Task Force CISPRIA/SC77B on Uniform measunament arrangement for radiated emission and immunity testing
  • SC-B:工業用、科学用及び医療用高周渡利用設備並びに電力線、高電圧機器及び電気鉄道からの妨害ISM機器・電力設備 幹事国:日本

      • WG1.CISPR11(工業、科学及び医療用高周波利用設備の妨言波の許容値及び測定法)
      • WG2:CISPR11(架空送電線、高電任機器と電気鉄道からの妨害)

    SC-D:自動車及び内燃機関に関する妨害及び車載受信機の保護(自動車) 幹事国:ドイツ

    • Working Groups
      • WG1.CISPR12(建物内、道路沿い又は屋外区域で使用される受信機の保護)
      • WG2:CSPR15(車載及び周辺車両搭載受信機の保護)
    • Jont Workang Groups
      • JWG A-SITE Establisment of Joint Task Force between CISPRID and CISPRIA – Chamber valıdalion methods

    SC-F:家庭用機器、工具、照明装置及び類似のもののEMC家庭用電気機器・照明器具 幹事国:日本

      • WG1-CISPR141、14-2(モーター内蔵家庭用機器及び関連機器)
      • WG2:CISPR15(照明機器)

    SC-H:無線通信業務の保護基準無線局の保護 幹事国:デンマーク

    • Working Groups:
      • WG1:共通規格のメンテナンス、EC61000-6-3、4
      • WG2:妨害波許容値の根拠(名)
      • WG4:設置場所測定の共通規格(大型ディスブレイの放射妨書波の測定法)
    • Joint Working Groups
      • JWG JTFHI: Joint Task Force
    • Project Teams
    • PT CISPR-34 An archive of justificahons of product linits that exceed generic limits

    SC-I:IT機器、マルチメディア機器及び受信機のEMC マルチメディア機器 幹事国:日本

    • Working Groups
      • WG1. CSPR13(放送受信機等のエミッション)、CISPR20(放送受信機等のイミュニティ)
      • WG2. CISPR32(マルチメディア装置のエミッション)
      • WG3: CEPR2(情報技術装置のエミッション)、CISPR24(情報技術装置のイミュニティ)
      • WC4: CSPR5(マルチメディア装置のイミュニティ)

    各分野における機器が発生する「妨害波特性の規格」と「イミュニティ特性の規格」をCISPRで決定した結果により各国が国内規制をしている。

    欧州連合(EU)規制

    ヨーロッパの国々が連合して欧州連合規格(EN規格)を制定する動きが始まり、1996年1月からEMC指令と呼ぶEN規格に加盟国が合格することを義務づけることになり、認定された製品にCEマーキングと呼ぶ認定証を添付することになった。(CEマーキングがない製品は欧州で使用できない、また、輸出することができない。)

    日本のEMC規制

    日本のEMCは昭和20年代頃からラジオに送電線のコロナ放電が妨害して対策をとることから始められたといわれている。国内法の電波法や電気用品取締法により規制を行ってきたが、年々EMCが社会的問題として増大、貿易に国際的な相互認定の問題もあり、政府及び民間の団体でEMCを取り扱うようになった。製造物責任法(PL法)が施行されてEMCへの社会的関心が強くなってきている。

    IECに対応する日本工業標準協会調査会(JISC)、CISPRに対応する総務省電気通信技術審議会のCISPR国内委員会等が国際規格との整合を行う窓口となっている。

    国内でEMCを審議する主な機関

    不要電波問題対策協議会(EMCC):総務省が主官庁となり、他の官庁、関係諸団体、学識経験者等で構成する組織で、昭和62年から活動している。企画、用語、妨害波、イミュニティ及び広報の委員会を持つ。EMCで携帯電話がベースメーカなどの医療器に及ぼす影響を報告して社会的に大きな反響を起こした。

    電波障害問題調査検討会;経済産業省が主官庁となるEMCの調査検討会で、計測器、コンピュータ、ワープロ、ボタン電話、医療用電子機器、産業ロボット、鍛圧機械、工作機械の8つの作業部会で調査をしている。  情報処理装置等電波障害自主規制協議会(VCCI);情報処理装置の製造会社が他の電子機器に妨害を与えないように自主規制を協議する団体で、昭和60年から活動している。コンピュータ等EMC認定を合格した機器に認証マークを発行している。外国のEMC認証機関と相互認証を行っている。

    (財)日本適合性認定協会(JAB);経済産業省と国土交通省の認可によりJISや国際規格への適合性評価に係わる審査登録機関、認証機関、試験所の認定及び審査員の養成と登録をする機関でEMC認定に関与する。

    この他、EMCに関係する法人、会社等が個々にEMCに関する調査検討会を持ち活動をしている。

    EMCの認定には電波暗室等の高額な設備を必要としたり、多様な妨害に対する測定法や評価基準の設定等未解決で難しい問題がある。国際規格と我が国固有な条件によるEMC制定基準の相違等があり、関係者が取り組んでいる現状にある。

    国際無線障害特別委員会(CISPR)

    CISPRはIEC(国際電気標準会議)の特別委員会である。IECの他の専門委員会とは異なり、無線妨害の抑圧に関心を持つ国際機関が構成員となっているほか、ITU-Rなどとの密接な協力体制がとられている。

    ※ CISPR(Comité International Spécial des Perturbations Radioélectriques)

    目的

    無線障害を低減するため、様々な機器・設備が発生する無線妨害波に関する許容値と測定法を国際的に定める。

    組織

      コメントを残す

      メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です