最新!オシロスコープの選び方
オシロスコープは電気・電子に係わるエンジニアが最も使用する測定器のひとつになり、最近では自動車も電子化が進み必ず使うようになった測定器です。
オシロスコープとは、簡単に言えば、電気信号の変化を波形で表示する測定器です。つまり時間変化での電気信号変化を波形で表示する測定器になります。
そのオシロスコープを準備(購入)する時に注意を払は無くては、ならないのが周波数帯域です。オシロスコープに入力されたサイン波信号が、その本来の振幅に対して3dB減衰して表示するのです、つまり、実際の信号振幅より約30%小さく表示されてしまうので、準備(購入)する時に、100MHZの信号をみるので100MHZまで測定するオシロスコープを購入すれば、いいのではないのです。
その理由を本サイトで説明させて頂きますので、ご参考にして頂ければと考えております。
目次
周波数帯域の選び方
先にも記載しましたが、オシロスコープに入力されたサイン波信号が、その本来の振幅に対して3dB減衰して表示する、つまり、実際の信号振幅より約30%小さく表示されるのです。
例えば、周波数帯域100MHzのオシロスコープで100MHzのサイン波信号を測定したとします、表示されるサイン波の振幅は実際の信号振幅より小さく、約70%(正確には70.7%)の大きさにしか表示されないのです。(すべてのメーカー同様)
これでは、測定したデータに意味がありません。
下記図は、ガウシャン・カーブの図です。
ガウシャン・カーブ:約1GHzくらいまでのオシロスコープの高域減衰特性はガウス曲線に近似していますので、この曲線をなぞると、もっと誤差の小さな結果を得るための周波数帯域を推測することができます。
上の図の様に周波数帯域100MHZのオシロスコープで測定できのは30MHZのサイン波信号までであると推奨されております。
※測定精度3%は各メーカー推奨している数値(一部測定精度2%を推奨しているメーカーもあります。
※※30MHZ以上の信号は見えますが誤差があるので測定値を保証できないとの事です。
測定器として、3%の精度で観測する場合、正確な振幅測定を行うためには,測定信号に含まれる最も高い周波数成分に対して,3倍以上の周波数帯域をもつオシロスコープを使用することが望ましいことになります。
※但し、一部2%誤差を推奨されているメーカーもあり、2%を求める場合は5倍の周波数帯域をもつオシロスコープを推奨されているメーカーもあります。
立ち上がり時間
立ち上がり時間は、これまで測定信号より4倍以上、高速な立ち上がり時間を持つオシロスコープが必要と言われてきましたが、最近では高速な信号のトランジションを正確に補えるためには,高速な立ち上がり時間が必要であるといわれる様になりました。
最近ではこの様な考え方に:立ち上がり時間は,理想的なパルス波形を入力したときに観察される信号が,最大振幅の10 %から90 %になるまでの時間(t0)である。
周波数帯域と立ち上がり時間との間には,下記の式はあります。
周波数帯域(MHz)=※定数k(0.35~4.5)/立ち上がり時間(nsec)
※定数kの値は,0.35から0.45の間であり,オシロスコープの周波数特性曲線とパルス応答特性によって変化する。入力信号の立ち上がり時間は,次式から計算することができる。
信号の立ち上がり時間=√(ルート)[(観測される立ち上がり時間)2-(オシロスコープの立ち上がり時間)2]で求められる。
サンプルレート
時間軸方向のサンプリングの頻度を表す単位で,1秒間のサンプル数(S/s)で示される。信号を正確に再現するためには,信号がもつ最高周波数成分の少なくとも2倍の周波数が必要である(ナイキストの定理)。ナイキストの定理は,無限のサンプル数と連続した波形に対する定理なので,実際の適用では更に高いサンプルレートが必要となる。
このような、感じで調査をして頂ければ問題はありませんのでご参考下さい。
また、最後に波形が見えればいいと考えて測定した信号のギリギリ下回る機器の導入(購入)は辞めて下さい、導入して、お客様(エンドユーザー・公的機関)に資料を提出しても、精度以下の測定データを提出しても意味がありません、お客様は真値ではないので測定データとして認めてもらえないのと、精度以下の機器で測定(テスト)をしている事を相手に知られると大きな問題・信用問題になる為、必ず測定要求内容を満たした機器を導入(購入)して下さい。